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赤石 孟郎TAKERO AKAISHI

しがらき厩舎長
2007年入社

入社のきっかけ

競馬が好きだった祖父、父の影響で、私は小・中学生の時から競馬には関心がありました。そんななか、ディープインパクトのレースを観て、馬の仕事に就きたいと思うようになったんです。そして、単純かもしれませんが「それなら、まずは馬に乗れるようにならなくては!」と考え、騎乗が学べるアニマル・ベジテイション・カレッジで2年間学び、基礎を身につけてノーザンファームの採用試験を受けました。

調教へ向かう様子

1日の仕事のながれ※ある日の例

5:00 - 11:00

厩舎長の1日は、まず、厩舎で管理している30頭すべての馬体チェックから始まります。厩舎スタッフ全員で協力をし合いながら、体調を崩している馬がいないかどうか、調教を始めるにあたり入念に確認を行うんです。このチェックが済むと、厩舎スタッフとその日の調教メニューを確認し、馬に乗り始めます。一人あたり、おおむね2~5頭の馬に乗ります。しがらきに居る馬たちは、入厩する前(トレーニングセンターに入る前)の調教を行うので、北海道で行う調教よりも早いタイムで走る必要があります。

11:00 - 14:00

昼休憩

社員食堂で昼食をとり、その後は寮や休憩室で昼寝をするなど、思い思いに過ごします。

14:00 - 16:00

午後の仕事も、再度の馬体チェックから始まります。午前の調教中に身体を痛めた馬、怪我をした馬がいないかを確認することが主な目的です。そして、餌づくりや厩舎業務は、厩舎長補佐とその他スタッフに任せて、私は翌日の調教メニューの作成を行います。すべての馬に同じ調教メニューを課すのではなく、それぞれの馬のコンディションやレース出走までの日数等を考えながら、「調教するコースは?」「坂路調教なら何秒にするか?」「周回コースなら何周にするか?」「速さは?」といったメニューを組んでいきます。馬のコンディションということについてもう少し詳しくお話すると、何度かレースに出走してこの牧場に戻ってきた馬のなかには、疲れ切ってガリガリになっている馬もいます。また、いつもはすぐに餌を完食するのに、食いつき具合が悪い馬や毛艶が良くない馬もいます。こうした馬の状態をもとに、調教メニューを決めていきます。日頃から、馬1頭1頭としっかりと向き合うことにより、こうした変化に気が付くことができるのです。

厩舎長の仕事内容

1日の仕事の流れで触れたこと以外に、厩舎にいるすべての馬の管理、スタッフの管理、与える餌の量や内容、予定していたレースに出走できるかどうかの見極めを行うのも厩舎長の仕事です。また、セレクトセール開催時には北海道へ行って運営に携わったり、他場での騎乗の手伝い、管理職勉強会への出席などもあります。管理職勉強会ではアンガーマネジメントやハラスメント、コミュニケーションの取り方等を学んできました。これらの学びで得たことを、厩舎スタッフとの関係構築に役立てています。馬は人の気持ちや雰囲気を非常に良く感じ取る生き物です。スタッフが落ち着いて働ける環境が整っていないと、そのことが馬にとっても悪影響となるため、まずはスタッフのストレスを取り除くことに気を付けています。また、新たな試みとして、北海道からしがらき・天栄へ移動してくる2歳馬を事前に知ることを目的として、北海道での2歳馬の騎乗手伝いも行っています。一生懸命調教をしてくれた北海道のスタッフからバトンを受け取るという大きな役割を担うため、気合いが入ります。

ミーティングの風景

馬体チェックの重要性

入社して間もない頃は、多くの社員が「騎乗技術を上達させたい!」ということにばかり気持ちが向きがちですが、馬の状態を見る目を養うことも、騎乗と同じくらい大切です。普段から馬体や脚に触ることを習慣づけておくと、ちょっとした変化に気が付くことができます。馬は話せないので、こちら側が変化に気付いてあげることが大事なんですね。

ノーザンファームで働く醍醐味

私は、もともとJRAの厩務員を志望していました。ただ、当時は厩務員試験を受験する際の年齢制限が28歳と定められており、残念ながらその年齢までには合格に至りませんでした。そうした経緯を経て入社したノーザンファームでしたが、仕事内容は楽しいですし、トレセン(トレーニングセンター)と同じように、早いタイムで調教を行っていますし、休みの制度や福利厚生もどんどん充実するなか、あっという間に10年あまりが経過した感じです。もし今、厩務員試験に合格してもノーザンファームに残ります!さらに、ノーザンファームは繁殖、育成、調教を一貫して行う総合牧場なので、私が新人の時に乗っていた馬が繁殖牝馬となり、そのお母さんが産んだ仔馬に乗る機会も出てきます。「あっ、この気質はお母さんに似ているな。ここは全く違うな!」などと、当時のことを思い出しながら乗れることもノーザンファームの強みですし、楽しみですね。また、高い意欲をもてば役職などに関係なく海外研修に参加するチャンスもありますし、海外から栄養士や乗馬トレーナーを招いて行われる講義もあるので、まさに世界中の知識を学ぶ環境が整っています。

騎乗する赤石さん

仕事のやりがい

マシンから出てくる馬の状態確認

仕事のやりがい

私がやりがいに感じていることは2つあります。1つ目は関わった馬がレースに出走して勝った時です。どんなレースであれ、どんな勝ち方であれ、1勝する難しさを分かっているので本当に嬉しいです。2つ目は、毎日馬を見たり乗ったりするなかで、馬の状態が良くなってきていると実感するときです。日頃の調教内容や餌の配合が合っていたのか、修正が必要なのか、良い答え合わせになるんです。

思い出に残っている馬

入社して最初に乗せてもらった馬、勝った馬はよく覚えています。1頭目はフェアリーレイ、2頭目はヴァナディース。シャフリヤールも思い出に残っている1頭です。私が競馬に興味を持つきっかけをくれたディープインパクトの子どもでもありますし、厩舎長になって初めてG1勝利をとったことが理由です。普段はあまり感情を表に出さない性格なのですが、日本ダービーとドバイシーマクラシックの勝利時は、さすがに感情を抑えきれませんでしたね(笑)。

競走馬と触れ合い微笑む赤石さん

休みの日の過ごし方

私はオンとオフはしっかり区別したいと思っています。オフの日は外出することが多く、その意味ではどちらかと言えばアウトドア派ですね。大阪・京都・名古屋が近いので、出かける場所には困りません。有名なラーメン屋、定食屋、居酒屋が多いので、食べ歩きをしています。

競走馬と触れ合い微笑む赤石さん

ノーザンファームを志望している人へのメッセージ

「人馬一体」とよく言いますが、馬も人も気分良く走れている時は本当に楽しいですよ。ノーザンファームには「乗馬未経験者研修プログラム」という、働いてお給料をもらいながら騎乗技術を習得するシステムがあります。馬の経験がない人でも、挑戦したい気持ちが強ければ会社は受け入れてくれます。特に近年は「若いスタッフ、人を育てよう」という機運が会社に浸透してきています。「今、私にしかできない仕事があったとして、それを若いスタッフができるようになると私はもっと別の新しい業務にチャレンジできるかもしれない。どんどん、世代交代をしていく必要がある」。これは、しがらきの松本場長の言葉です。学ぶ気持ちさえあれば成長できる環境は十分整っています。勇気を出して、飛び込んで来てください!